資本論のための発信No8号 沖縄「資本論を学ぶ会」

  将来の社会を考えよう! 社会の矛盾に目覚めよう! 資本論を学ぼう!

 B 総体的または拡大せる価値形態 をおこないます。

 (亜麻布20エレ=上衣1着 =茶10ポンド =コーヒー40ポンド =その他)

 拡大せる価値形態とは、亜麻布20エレが、無数の商品と関連を持ってつながる世界を描いている。分析は「一 拡大された相対的価値形態」「二 特別な等価形態」「三 総体的または拡大された価値形態の欠陥」と三つの面から明らかにします。

 

  一 拡大された相対的価値形態

 亜麻布20エレと結びついた関係の世界で、亜麻布の価値は、①「無数の他の成素に実現される」②「商品体は亜麻布価値の反射鏡」という「相対的価値形態」を描きます。 

何故でしょうか。「価値を形成する労働」とは何かを考えるのです。        それは「明瞭に一切の他の人間労働がそれに等しいと置かれる労働」と描かれ、「上衣に対象化させられようと、小麦や鉄または金などに対象化させられようと」関係ないとされます。                                  そして、「商品としてのこの世界の市民」「この市民たる表現の無限の序列の中にあるから、商品価値は、使用価値がどんな形態であろうと、その特別の形態に対して、無関心であることにもなる訳である」。「質」は「人間労働」か。

 量的観点からも論述され、

「亜麻布の価値は、・・・種々雑多な所有者に属する無数に違った商品で示されようと ”同じ大きさ” である。二人の個人的な商品所有者の ”偶然的な” 関係は無くなってしまう」と、                               一つの商品 ”亜麻布” は、同じ大きさに統一されると考えていいのでしょうか。

 最後のセンテで、「交換が商品の価値の大きさを規制するのではなく、逆に商品の価値の大きさが、その交換比率を規制するのであると言うことは、明瞭になっている」と論述されたことを考えるに、あなたとは1着、あなたとは10ポンド、あなたとは2オンスと、亜麻布の価値に統一された世界の中で規制されると考えていいのでしょうか。

 

  二 特別な等価形態・・・・・2センテで短し。

 自然形態の面 ⇒ 「上衣、茶、小麦、鉄などの商品は」、「等価」「価値体」「これらの商品の各々の特定なる自然形態はいまでは多くの他の商品と並んで、一つの特別な等価形態」として表される。

 労働の面 ⇒ 「商品体に含まれている特定の具体的な有用な多種多様の”労働種”は無差別の”人間労働”を、特別な実現形態または現象形態で示すことになっている」。

この「特別等価形態」は文章が短いからといって、どうでもいいと考えないでください。あとで、貴重な役割を、意味のある行いを、実践していくことになるであろう。

 

  三 総体的または拡大された価値形態の欠陥

 欠陥とは何でしょうか。次の段階に進むための克服する課題は何でしょうか。三つの欠陥を示しています。

一つ、「表示序列がいつになっても終わらない」から、「商品の相対的な価値表現は未完成である」。                                 二つ、「それは崩壊しがちな雑多な種類の価値表現の色とりどりの寄木細工をなしてい る」。何を見て「崩壊しがち」なのか、次に展開する「C」の形態を見てでしょうか。

三つ、「あらゆる商品の相対的価値は、この拡大された形態で表現されざるを得ないのであるが、そうなると、あらゆる商品の相対的価値形態は、すべての他の商品の相対的価値形態と違った無限の価値表現の序列である」。

 

等価形態について。                              ①「拡大された相対的価値形態の欠陥は、これに相応する等価形態に反映する」。  ②「すべての個々の商品種の自然形態は、ここでは無数の他の特別な等価形態と並んで一つの特別な等価形態であるのだから、一般にただ制限された等価形態があるだけであって、その中の各々は他を排除する」。排除とは割込み競争をしている感じですか?   

 

労働について。                                ①「これと同じように、すべての特別な、商品等価に含まれている特定の具体的な有用労働種は、ただ人間労働の特別な、十全でない現象形態である」           ②「人間労働は、その完全な、または総体的な現象形態を、かの特別な現象形態の総体的拡がりの中に持っているが、なんら統一的の現象形態を持たない」。           

 今までの局面では、常に「労働」を意識して内容を取込んでいくのでしょうか?疑問を自らに提起し続けよう!

 「欠陥」から克服する道筋を提起 ⇒ 「彼らの種々の商品の価値を同一の第3の商品、亜麻布で表現しなければならぬ。ーーーかくて、もし我々が、亜麻布20エレ=上衣1着、または =茶10ポンド または =その他 と言うような序列を逆にするならば我々が実際にはすでに序列の中に含まれていた逆関係を表現するならば、次のようになる」。

 次号は、「C 一般的価値形態」を行います。